次世代校務DXの推進に伴い、校務支援システムの更新が各地で始まっています。 一般社団法人教育ICT政策支援機構(JEIPO)は、校務支援システム事業者各社のご意見を踏まえ、リプレース時のデータ移行に関する課題と、データの取り扱いに関するガイドラインを取りまとめました。
校務支援システムのリプレースにおけるデータ移行の課題を3点に整理し、「移行」「保管」「削除・廃棄」を分けて考える基本的な考え方を示した参考資料です。 対象:教育委員会・自治体の調達担当者、校務支援システム事業者
指導要録、健康診断票、出席簿、各種日誌、卒業生台帳、調査書、個別の教育支援計画・指導計画、週案などの帳票ごとに、取扱区分、保存期間・根拠の確認、検証方法、責任分界を整理したガイドラインです。データ移行標準仕様(機能別)を含みます。 対象:教育委員会・自治体の調達担当者、校務支援システム事業者、学校管理職
次世代校務DX環境への移行に伴い、既存の校務支援システムを新システムへ入れ替える案件が増えています。その調達仕様では、「既存システムに保存されているデータをすべて移行する」ことが前提とされる例が少なくありません。
しかし、校務支援システムのデータは、各自治体・学校の運用、システム仕様、原本の扱い、保存期間、利用目的と密接に結びついています。データ移行を「AからBへデータを移す作業」と捉えるだけでは、移行後の活用、真正性の確認、個人データの管理、費用対効果の面で多くの課題が生じます。
データ移行は技術作業ではなく、児童生徒の重要な記録をどう守り、どう活用し、どう適切に廃棄するかという教育行政上の判断です。
多くの校務支援システムは、特定の自治体・学校の運用に合わせて開発・改修を重ねてきました。同じ「出欠」「成績」「所見」でも、項目の粒度や履歴の持ち方はシステムごとに異なります。出力できても、移行先で同じ意味を持つ保証はありません。
APPLIC標準仕様は、システム間連携の重要な基盤です。ただし、標準形式で受け渡しできることは、自治体独自の備考欄・特記事項まで過不足なく移ること、校長が承認した原本と同一であることまでを担保するものではありません。移行結果の確認責任は、設置者と学校にあります。
移行には、分析・項目対応付け・ツール開発・テスト・点検と相当な工数がかかります。一方、移行後に実務で使われるデータは限られます。不要なデータの移行は、費用を膨らませるだけでなく、機微性の高い児童生徒の個人データの漏えい・滅失リスクを増やします。
校務支援システムのリプレースにおけるデータ移行の課題を3点に整理し、「移行」「保管」「削除・廃棄」を分けて考える基本的な考え方を示した参考資料です。 対象:教育委員会・自治体の調達担当者、校務支援システム事業者
指導要録、健康診断票、出席簿、各種日誌、卒業生台帳、調査書、個別の教育支援計画・指導計画、週案などの帳票ごとに、取扱区分、保存期間・根拠の確認、検証方法、責任分界を整理したガイドラインです。データ移行標準仕様(機能別)を含みます。 対象:教育委員会・自治体の調達担当者、校務支援システム事業者、学校管理職
本資料は、校務支援システム事業者各社へのご意見照会を経て取りまとめたものです。お寄せいただいたご意見をもとに、帳票ごとの取扱区分や検証方法、年度末リプレースの原則などについて修正を加えています(2026年9月)。
JEIPOは、協力自治体の推薦を受け、一般財団法人全国地域情報化推進協会(APPLIC)の準会員として加盟しました。今後、本資料をもとに、校務支援システムのデータ移行・ポータビリティに関する標準化の議論に参画してまいります。
ご協力いただいた事業者の皆様に、心より御礼申し上げます。
Q1. すべてのデータを移行しないと、後で困りませんか?
A. 困らないように「保管」があります。過年度の公簿は、原本(紙または承認済みPDF)を検索・参照可能な状態で保管すれば、新システムに業務データとして入れる必要はありません。むしろ新旧に原本らしいデータが並ぶ方が、将来の混乱を招きます。
Q2. APPLIC標準に対応していれば、移行は問題ありませんか?
A. APPLIC標準は重要な基盤ですが、自治体独自の項目や、承認後に修正されたデータとの一致までは担保しません。どの時点のデータを出すのか、取り込んだデータを正規データとするか参考情報とするか、誰がどう確認するかを事前に決めておく必要があります。
Q3. 過年度の指導要録の評価は、調査書の作成に使いますが?
A. その場合は、指導要録の原本データとしてではなく、調査書作成用の参考データとして該当データを移行することが望ましいと整理しています。
Q4. 健康診断の過去データは移行しないのですか?
A. 過年度の健康診断票は原本(PDF等)として保管し、原則として新システムでは保持しません。ただし、成長曲線の作成などに必要な過去の身長・体重データは、可能な限り移行します。
Q5. 保存期間はどう確認すればよいですか?
A. 学校教育法施行規則、学校保健安全法施行規則などの法令と、各自治体の文書管理規程・条例を確認してください。例えば指導要録のうち学籍に関する記録は20年、指導に関する記録は5年と定められています。保存期間を満了し利用目的も失われたデータは、適切な手続きに基づき削除・廃棄を検討します。
Q6. 年度途中にリプレースしなければならない事情があります。
A. 年度途中のリプレースでは、現年度の承認前データの移行が必要となり、教職員の負担と移行コストが大きくなります。ガイドラインでは年度末リプレースを原則としています。やむを得ない場合は、現年度データの扱いと確認体制を個別に設計してください。
本資料は、校務支援システムのリプレース計画の立案、調達仕様の作成、データ移行の検討・実施の参考として、自由にご活用いただけます。
引用・転載の際は出典(一般社団法人教育ICT政策支援機構「校務支援システムリプレース時のデータ取り扱いガイドライン(ver1.0)」等)を明記してください。
本資料に関するご意見・ご質問、リプレース計画や調達仕様の策定支援のご相談は、JEIPOまでお寄せください。
問い合わせはこちらまで。